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With HANDSOMUSE vol. 11

ジェンダー平等意識が育つまで

21.10.01

石井リナRina Ishi

起業家。
1990年生まれ。ウェブ広告やSNSのコンサルタントを経て、2018年にBLAST Inc.を設立。エンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」と、女性の声を反映したフェムテックブランド「Nagi (ナギ)」を立ち上げ、多くの女性たちの共感を得る。2019年に日本を代表するビジョンや才能を持った30歳未満の30人を表彰する「Forbes 30 Under 30」インフルエンサー部門を受賞。プライベートでは夫婦別姓を選択するため、法律婚から事実婚に移行。

3年前に起業し、女性のエンパワーをサポートする会社、BLAST Inc.を運営しています。自分自身の幼少期を振り返ると、小さい時から比較的活発な子どもだったと思います。モダンバレエを習っていたので、バレエ教室に通い、発表会に出たり。当時はモーニング娘。がとても流行って、そういう世の中の流れも含めて、とにかく踊ることが好きでした。そんななか、おそらく母の方針だったと思いますが、水泳、ピアノ、塾と多くの習い事をしていたためハードなスケジュールで、小学生ながらに「なんでこんなに忙しいんだろう......」と内心感じるほど多忙に。そして中学受験のための塾通いで、好きだったバレエを辞めることになってしまって。そのことは今でも少し悔しい思い出です。

とはいえ、子どもの頃から特段、意識が高かったわけではなく、ごく一般的な女の子と変わらない平凡な女の子だったと思います。強いていえば、父・母・妹との四人家族で育ったのですが、私の家では父が家事や育児を率先して行っていました。小学校の中盤からは母も働いていたので、父が私と妹のお弁当を作ったり、朝ご飯を用意してくれたり。さらに休日の買い物も父が担当していました。そういった意味では多くの家事を父がする環境を、ごく自然と体感していたのだと思います。ですので、女性らしさ=家事育児ができること、というふうには幼少期から紐付いてはいませんでした。そのように私の家では、家事育児に関して男女が平等であることが当たり前で、女性だからという理由で女性が家事をしなければいけないとは思わずに育ってきました。その考え方は、私の今の活動に通じてる部分だと思います。

そして中学と高校は、男女共学でありながら別々の校舎で学ぶ「男女別学」というかなり珍しい学校に通っていたため、クラスには女子のみ。それゆえ異性の目を浴びず、奔放に伸び伸び過ごしていた思春期でした。女子だけのクラスでは、一般的な共学のクラスのように、リーダーは男子、副リーダーは女子という既成概念で割り振られることもありません。日常では男女の交流は ほとんどなく、運動会などのイベントで急に男子と一緒に行動することになると皆そわそわ、ドギマギするみたいな感じでしたね。そんなふうに学校生活でも伸び伸びと、ジェンダーステレオタイプから解放されて過ごしていました。

高校生の頃からファッション雑誌がすごく好きだったので、当時はファッションエディターになりたいと思っていました。中学や高校時代に愛読していたのは「セブンティーン」や「ポップティーン」。学校が厳しかったので私自身は経験できませんでしたが、ギャルにも憧れていて「egg」も読んでいました。ギャル文化は、他からの評価や異性モテではなく自己評価で同性モテ。そんな姿勢も含め、パワーみなぎるギャルたちにも興味を持っていました。それからアメリカのテレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」が社会現象になるほど人気で、私もよく観ていましたが、あんなふうに女性たちがポジティブに働くことにとても憧れを持っていたと思います。

初めて買った洋楽のアルバムは、ブリトニー・スピアーズのもの。ビヨンセ、レディ・ガガ、マドンナをはじめとするパワーがある女性たちに共感し、インスパイアされていました。フェミニズムの考え方に出合ってからは、エマ・ワトソンなど、社会に対して考えて動いている人に影響を受けています。日本のアイドルはか弱くて可愛くて、男性社会が作ったシンボル的な偶像のように感じます。海外で人気があるシンガーたちはパワフルで主体的。そういったアイコンがメインストリームにいる環境は羨ましいと感じていました。

大学時代はインターンとしてファッション雑誌の企画に携わった経験もあり、ファッションはずっと好きですね。ジュエリーはゴールドやシルバーなど、シンプルなデザインを身に着けることが多い。地金をどちらかに決めるのではなく、ミックスするコーディネートの方が気に入っています。ファッションでも、ルールにしばられず自由に自分らしさを表現したいと思っています。

 

Rina Ishi’s Column