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With HANDSOMUSE vol. 18 ― ファッションデザイナー 小川彰子さん 公開中

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With HANDSOMUSE vol. 18

仕事の転機がもたらした
新しい自分、豊かなライフスタイル
― ファッションデザイナー 小川彰子さん 後編

25.07.07

小川彰子Akiko Ogawa

大阪府生まれ。桑沢デザイン研究所を卒業後、企業デザイナーを経て独立。2001年に「a primary AKIKO OGAWA(ア プライマリー アキコ オガワ)」を立ち上げ、 2005年にブランド名を「AKIKO OGAWA.(アキコ オガワ)」に変更。ニューヨーク、パリでのコレクション発表経験も持つ。2016年からはランジェリーラインもスタート。
www.akikoogawa.com

前編に引き続き、お話を伺ったHANDSOMUSEは、ファッションブランド「アキコ オガワ」の オーナーデザイナーの小川彰子さん。ビジネスウーマンに向けたスタイリッシュなスタイルを提案する小川さんのプライベートとは? いい意味でクールなイメージを裏切る、大阪生まれの片鱗を感じさせるキャラクターや趣味のことから、昨年末に建設されたニセコの別荘のこだわりまで、魅力的なファッションを生み出すライフスタイルについて語っていただきました。

「アキコ オガワ」のブランドで提案しているテイストや、関西弁のイントネーションがあまり出ないので気づかれないのですが、実は大阪出身なんです。だから話してみると、意外に気さくなキャラクターであることに驚かれる方も多くて(笑)。ファッションデザ イナーという仕事柄、時代的にも、独立した当初は気も張っていましたし、それなりに尖っていたかもしれません。年齢を重ねて少しは丸くなったこともありますが、壁を取り払えたのは、紆余曲折の仕事人生でのライフスタイルの変化も影響していると思います。

アトリエにて。リラックスした表情も素敵な小川彰子さん

30代後半、当時事業提携していた企業の経営が破綻するという思わぬ事態が起きました。それまでずっと目の前の仕事に邁進していたので、海外出張も多く、とにかく忙しい日々。自分自身を省みる時間もなく、正直結婚にはまったく興味がなかったんです。事業は軌道修正しなくてはなりませんでしたが、逆に少し時間の余裕ができ、あるとき友人と出かけたプライベートなイベントで夫に出会いました。意気投合し3年の交際期間を経て結婚、その後41歳で出産しました。

インドやスリランカの南西に位置し、水上ヴィラが並ぶ、美しいリゾート、モルディブ。

ハネムーンで出掛けたモルディブは今でも良い思い出です。ビーチにある小さな島々がホテルになっているので、治安も気にせず過ごせて快適でした。結婚指輪はホワイトゴールドにエメラルドカットのダイヤモンド。記念日に何度かプレゼントしてもらい、レイヤードして使っているテニスブレスレットは、懐かしいエピソードを思い出す大切なジュエリーです。結果、直線を生かしたシャープでクールなデザインが多いですね。ベルシオラのジュエリーでは、グラフィカルな「スクエア」コレクションが気になりました。

ベルシオラのシグネチャー「スクエア」コレクションのネックレス。

幼い頃から母が絵を描くことが好きで、生活のなかには何かアートがある環境でした。私はヘルムート・ニュートンが映し出す写真の世界観、あのサンローランをまとった男装の麗人が好きなんです。すべてにおいて、あまりモダンすぎるものではなく、少しクラシックな要素があるものに惹かれます。

昨年末に建てたニセコの別荘にも、そういったテイストを反映させています。ここ数年、夫の仕事の関係でシンガポールを拠点していたのですが、そこで使っていたお気に入りのカリフォルニアの家具や一枚板のテーブルなどをそのまま移動することに。家具が映えるシンプル空間を希望し設計してもらいました。私はこれまで集めてきた洋書のコレクションを飾るガラス棚、夫はバイオエタノールの暖炉がこだわり。天井高4.8mの吹き抜けで開放感があり、窓越しには羊蹄山がのぞめます。

ニセコの別荘でくつろぐ小川さん。温かみがありながら洗練されたインテリア。

この地を選んだのは、夫はイギリス人でスノーボードが人生の趣味で、雪山に住むことが夢だったから。ニセコはまずパウダースノーで雪質が良く、山のスケールも申し分なく、外国人のコミュニテイもあります。私は完全な田舎に住むのは難しいと感じていましたが、ニセコにはパークハイアットホテルなど港区レベルのレストランがあるなど、自然もラグジュアリーもどちらも楽しめる環境。夏も涼しくて過ごしやすいです。

こだわりが詰まったキッチンと、高級感のあるダイニングスペース。

夫は料理が好きなので、キッチンにもこだわっています。本場イギリスさながらのローストビーフなどのオーブン料理や、時には酵母から仕入れてパンも自ら焼き上げるなど、かなりの凝り性で美味しいのです。もちろん東京での生活は仕事ベースですが、家族ができて、こんなふうにオフの過ごし方や友人との付き合い方も随分変わったと思います。

窓からの風景も魅力(左)。家族の一員、ヨークシャーテリアの愛犬、ももちゃん(右)。

またコロナ禍に子どもの頃の趣味が復活。兄の影響で愛読していた少年漫画にまんまとハマりました。シンガポールでは3週間近くとかなり長期の厳しい隔離を強いられたのですが、その際、できるだけ気持ちが塞がない娯楽として漫画を準備。あらためてストーリーと絵、両方を手がけるマンガ家の素晴らしさを感じました。

小川さんはシンガポールでトータル5年近く生活。

今後はニセコでの体験を生かして、スキーウェアもつくってみたいし、飲食を含めたライフスタイルに関わる仕事にも興味があります。10年後、どんな暮らしをしているかわかりませんが、家族を大切にしながら、仕事もバランスよくやっていけるのが理想ですね。

 

Akiko Ogawa’s Column