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YOUR HANDSOMUSE STORY


ベルシオラは、半歩先を歩もうとする女性とともにあることを大切にしています。

2022年度のYOUR HANDSOMUSE STORYは、
人生を半歩先に進めた転機とそこに至るまでの過程や想い、
半歩先の夢に向かって前に進む勇気をもらえた出来事などを公募し、
たくさんのHANDSOMUSEなみなさまから素敵なストーリーをお寄せいただきました。

ご応募下さったみなさま、ありがとうございました。
2022年度の公募は既に締め切っていますが、
今後も企画を検討いたします。

Story 20

冬の朝、肌をツンと刺すような冷たくも澄んだ空気を感じながら、運動を兼ねて出勤の為に駅までの少し長い道のりを歩くのが好きだ。

7センチのピンヒール、ミドル丈のタイトスカート、ブラックのロングコートで今日も武装は万全だ。
未だ薄暗い空のなかの赤い色の割合が徐々に増してく様は、冬ならではの風物詩。
それをぼんやり眺めながら、今日も自問自答する。

私。
40代半ば、独身。

20年来のパートナーはいるけど、所謂フランス婚だ。
平日は自宅と会社の往復。週末は地方都市のパートナーの自宅で過ごす。正式な夫婦ではない。何となくお互い結婚という言葉を避けながら付き合ってきた。

仕事はがむしゃらに働いてきた甲斐あり、順調にキャリアアップしてきた。
経済的にも、精神的にも自立できているつもりだ。子供や家族がいない分、自分の為だけに使える時間もある。例え一人になっても、十分に満足する生活を送れる自信はある。

結婚し、子供や家族が居る同僚や友人はこう言う。「羨ましい。私も自分の時間が欲しい。」周りはみんなそう言ってくれるが、本当はそんなお気楽なものではない。
多少の虚勢というスパイスに味付けされた人生であることは、自分でもわかっている。

冬の朝のひんやりした空気は、私の頬を叩くように問いかけてくる。
「本当は強がって生きている?」
「これからどう年を重ねていきたいの?」
ヒールの足音はメトロノームと一緒。答えのない自問自答。

駅の自動改札にたどり着き、ICカードの電子音がピッと鳴った。
「大丈夫。私が選択してきたことに自信を持って、私に正直に、自分らしく生きていくことが大切。」
と答えてくれているようだ。駅のホームに立つと、だいぶ陽が昇って眩しさを感じる。

私の心と向き合い、パワーチャージするひと時。
これが私の心地良い時間。

後日談:こちらを完成させた後の2021年クリスマスイブに20年近くお付き合いを重ねていたパートナーからプロポーズされ、生活を共にすることになりました。
今までと同じ生活は難しいかもしれませんが、二人で夫婦としての心地よい時間をゆっくり模索しながら共にと歩んでいきたいと思います。


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