子どもの頃から内弁慶で、物事をはっきりいうことが苦手だった私。
とても不器用だけどまっすぐな愛情を胸に秘め、大切な人たちの幸せを心から願っている、そんなところは父親ゆずりの性格だと思っています。
そんな私も愛する人に出会い、結婚をしました。
新たな町で仕事も決まり、新しい人生のスタートでしたが、不器用な頑張り方しかできない私は徐々に仕事の面でストレスをためていくようになりました。私は何のために働いているのだろう?もちろん生活の為という現実もある。けれど、頭ではわかっていても心がついていかず、家族に対しても優しくなれない日々でした。そんな矢先、卵巣腫瘍が見つかり緊急手術が必要となったのです。“やっと仕事を辞めることができる”そんな気持ちがふと頭をよぎりました。自分でも気が付かないくらいに自分を追い込んでいたのです。
これが転機となり、仕事を辞める決断ができ、改めて自分の人生、働き方に向き合うことになりました。
療養中、今まで経験したことのない不安に襲われ苦しい時期もありましたが、家族とともに過ごす中で、料理、洗濯、掃除、そんな日常を過ごしているときに心からの幸せを感じたのです。家族のことを想いながら料理をし、毎日頑張る家族の洗濯物を労いの気持ちをこめて丁寧にたたむ。幼い頃から見てきた母の姿を思い出しました。欲張りかもしれませんが、働きながら家族との時間も大切にできる、そんな暮らしがしたい、そう強く想ったのです。
その時、このご時世で少しだけ在宅勤務を経験していた私は、在宅勤務で場所を選ばない働き方、家族との時間も大切にできる働き方がしたい、という自分の素直な気持ちに気が付きました。時代は変わってゆき、ありがたいことに、全ての人が気持ちさえあれば自由な働き方ができる時代がそこまできていると感じます。
他人任せの人生は迷子になること、自分軸をもつことが愛する人を守れる強さに繋がること、時間は有限であること、書ききれないほどの気付きがあり、そこには愛する家族のサポートとたくさんの人たちの優しさがありました。
自分らしい働き方をみつけ、そこには家族の笑顔があり、溢れる愛情を未来の我が子へつなぎたい。そんな人生を選ぶと私は強く決意しました。
大好きな祖父の言葉に、“気持ちが第一歩”という言葉があります。
私はこの気持ちを胸に一歩を踏み出すことに決め、退院直後に今の気持ちを忘れないように誕生石のジュエリーを自分へプレゼントしました。これまでの私に最大の感謝と敬意を、そして新たな一歩を踏み出す私への決意とありったけのエールを込めて。。。