「ぼくが養うのでキツい仕事はもう辞めて、結婚してください！」
という言葉を信じ、国家資格の仕事を辞職。1年の交際を経て結婚しました。家族、兄弟、友人に祝福され、幸せな専業主婦生活の幕開け 。。。
というのはごく一瞬の出来事で、相手のご家族の金銭トラブルや、彼の収入に対する認識の相違、子育てに対する考え方の違いなど、結婚前に気がつけなかった色々な問題が現れ、大揉めに揉め両家のいがみ合いに。
考えが浅いまま恋愛感覚で結婚に踏み切ってしまった事実を受け入れるしかなく、わずか2年であえなく離婚。

気力も消耗し、これからどうしようという時、「いつか秘書になってみたいなぁ」という昔からの憧れを思い出し、求人を見てみるも「事務経験優遇」の文字が。
専門職の経験しかなかったので、まずは事務経験を積まねばと方向転換。
求人誌を斜め読みしていると、ハネムーンの際に使ったサービスが日本に入ってきており、事務員募集との事だったので早速応募、ご縁があり派遣社員として採用していただくことになりました。

外国人のいる職場、おしゃれなオフィス、当時まだ一般的ではなかったZoomを使った会議、あげたらキリがないですが、クリエイティブで多様的な環境に身を置けたことが、私の人生の転機です。

日本に参入したばかりの外資企業だったので、ルールなど全くなく、組織作りからのスタートアップでした。
新卒で入った会社はハラスメントの横行する古い思考の会社だったのですが（ストレスが原因で心臓手術の経験も。しかも2 回）そこでの経験が無法地帯の職場で自分を律するのにとても役立ちました。災い転じてなんとやら…

上司が認めてくださり正社員採用、さらに昇進。気がつくと部下が十数人、大人の管理ってこんなにも難しいのかと挫折したり、上司も外国人になり、留学の経験もないので基本的なコミュニケーションでさえ四苦八苦。
毎日がアドベンチャーですが、それでも、ハラスメント環境に身を置いて資格にしがみついてた頃や、専業主婦という淡い幻想を見ていた時よりよっぽど “生きてる”感覚を、肌で心で感じています。

そして、20代前半までに結婚し、子供を産んで家庭を築く事だけが幸せなんだと、頑なになって信じていたのが今となっては恥ずかしいです。
自分の時間や体力を自分のために費やすことも全く間違いではないんだと、いろんな背景があっていろんな考え方があるんだと、あっていいんだと、身をもって感じ、学びました。

結婚・離婚、転職・昇進、わずか5年間の出来事ですが、価値観・考え方・人生がガラッと変わる5年間。
たくましく柔軟な人間になるための、成長の半歩だったのではないかなと思っています。

ハラスメントでのトラウマや離婚の経験で自分に自信を無くしましたが、今は仕事に情熱を注ぐことでそういった負の記憶を消火しています。
リフレッシュのためにランニングや柔軟を始めたこともあり、見た目も少し変わってきた気が…
自分が新しい事にチャレンジするごとに自信が出てきて、不思議と最近、また家族を持ちたいかもと思える様になってきました。

仕事に精を出して、自分を磨いて、いつか別の幸せを見つけられたらいいなと夢を描きながら頑張っています。